まず知りたいこと
皮膚に食い込んだマダニは無理に引き抜かず、動物病院へ。予防薬を使っていても、帰宅後のチェックを続けます。
マダニは「皮膚に付く小さな吸血性のダニ」
草地などから犬へ付き、皮膚に口を差し込んで血を吸います。吸血前と後では大きさが違い、膨らんだものがイボに見えることもあります。見慣れない粒を見つけても、指でつまんで引き抜かないでください。
まず確認したい場所
- 耳の裏・耳の周囲、まぶたの周囲
- 首・あごの下、脇、内股
- 指の間・肉球の周辺
- 尾の付け根など、自分で見えにくい場所
これは確認箇所の例で、ここ以外にも付着します。明るい場所で毛を少しずつ分け、犬が痛がるなら無理に続けないでください。
見つけた状態ごとの対応
| 状態 | 対応 |
|---|---|
| 毛の上を動いている・まだ咬んでいない | 素手で潰さず、粘着テープなどで回収して処分。ほかにも付いていないか確認 |
| 皮膚に固定されている | 引っ張る、潰すなどはせず病院へ相談。発見時刻と散歩場所を伝える |
| 発熱・食欲低下・ぐったり | 早めに病院へ連絡し、マダニとの接触を伝える。体液・唾液に不用意に触れない |
アルコールや火で、無理に取ろうとしない
皮膚に付いたものを爪で引っかく、潰す、薬品を塗るなどの自己処置は避けます。写真を撮り、いつどこで散歩したかを伝えて病院に相談しましょう。動き回るものを回収した場合も、素手で押し潰さず扱い、触れた後は手を洗います。
人にも関係する「SFTS」を知っておく
SFTSは「重症熱性血小板減少症候群」という、マダニなどを介してうつるウイルス感染症です。犬猫から人へ感染する場合もあります。すべてのマダニが持っているわけではありませんが、体調を崩したペットの血液・唾液・排泄物へ不用意に触れず、病院へ連絡して対応を聞いてください。犬の元気や食欲の低下とともに、飼い主にも発熱などがあれば医療機関へ相談します。
散歩から帰ったら、玄関で一度止まる
草地へ行った日は、寝床やソファへ上がる前に明るい場所で確認します。犬が落ち着ける床へ敷物を置き、長い毛は少しずつ分けて皮膚を見ます。黒い毛や毛量の多い犬では、表面を撫でただけでは見落としやすいため、耳、首、脇などを順番に確認すると探しやすくなります。
皮膚を強くこする、嫌がる犬を長時間押さえることは避けます。まぶたの際や耳の奥など見にくい場所に疑わしい粒があれば、自分で器具を差し込まず病院へ相談してください。乳首やイボと見分けがつかなくても、取ろうとせず写真を撮って確認できます。
受診するときは、取った虫より接触の情報も大切
見つけた場所、犬のどの部位か、いつから付いていそうか、散歩した地域と日付を伝えます。使用中の予防薬の名前と前回投与日も確認。まだ体調に変化がなくても、皮膚に固定されたマダニは病院へ連絡し、受診の時期を聞きましょう。
回収した虫を持参するよう言われた場合は、潰したり素手で触ったりせず、逃げない容器などの方法を病院へ確認します。受診後も食欲、元気、嘔吐などの変化を記録。犬に発熱やぐったりがあれば、何日前の接触かも含めて改めて連絡します。
家族のチェックと、体調不良の犬への接し方
マダニがいそうな場所へ同行した人も、衣服や皮膚に付いていないか確認します。人の皮膚に食い込んでいる場合は無理に除去せず医療機関へ相談し、その後の発熱なども伝えます。犬のチェックをした後は手を洗い、傷のある手で体液へ直接触れないようにします。
犬が体調を崩している場合は、口移しの給餌や顔を舐めさせる行為を避け、接触の仕方を病院へ相談します。マスク・手袋を用いても咬まれないとは限らないため、嫌がる犬を無理に保定しません。家族の体調にも変化があれば、犬の症状とマダニとの接触を医療機関で伝えます。
次の散歩から、草地との接触を減らす
公園へ行くこと自体をすべてやめるのではなく、背の高い草や藪へ顔や体を入れない歩き方にします。舗装路でも周囲の草地から付く可能性があるため、チェックを省く理由にはしません。キャンプや旅行へ出る場合は、行き先を伝えて予防薬の対象と予定を獣医師に確認します。
マダニの薬を使っていても、付着した虫が必ずその場でいなくなるとは限りません。製品ごとに働き方が違うので、「虫を見つけた=薬が偽物」とは即断せず、投与歴と虫の状態を処方元へ伝えてください。薬を増やしたり、人用の虫よけを犬へ流用したりせず、環境対策と薬の両方で考えます。
足を拭いた・シャンプーしただけで、対策完了?
拭き取りや入浴は、皮膚に食い込んだマダニを安全に除去する処置の代わりにはなりません。強くこすって落とそうとせず、固定されているものを見つけたら病院へ相談します。発見時点で元気でも、その後に異変があれば接触歴を伝えてください。
市販の洗浄用品と、マダニに対する効能が確認された動物用医薬品も別です。香りのある用品や虫よけグッズを使っているだけで予防できているとは判断せず、今使う製品で何を対象にできるかを獣医師へ確認しましょう。